レオ・レオニ特集
芸術家でもある彼の絵本は、一つの表現方法にとらわれず、さまざまな技法で描かれています。水彩・色鉛筆・コラージュ…。
また、色使いに特徴があります。カラフルな作品が多く、色を使ってキャラクターたちの感情を表現するのがうまいなぁと思います。
そしてデザイナーらしく、ページのレイアウトも考えられていて面白いです。
小学生のときに読んだ『スイミー』でもおなじみですが、大人になってから読むとまた違う感想を持つと思います。この機会に、ぜひほかの作品とともに読み返してみてはいかがでしょうか?
おすすめランキングベスト3
1位『スイミー』

『スイミー
~ちいさな かしこい さかなの はなし』
作:レオ・レオニ 訳:谷川 俊太郎
出版社:好学社(1979)
本体価格:\1,456/ページ数:32P
大きさ:タテ27.6cm×ヨコ22.6cm×1cm
海の中の世界を堪能
なんといっても文章の美しさ!
この本の見所でもあり、主人公のスイミーが海の中の素晴らしい景色に出会っていく場面では、面白い表現で語られています。
”ドロップみたいな いわから はえてる こんぶや わかめの はやし…”
”みたこともない さかなたち。みえない いとで ひっぱられてる…”(抜粋)
訳は谷川俊太郎さん。詩のような文章になっていて、さすがだなぁと思います。
また、各シーンとも淡い色使いでまるで海の中にいるような錯覚をしてしまうイラストです。
2位『あおくんときいろちゃん』
表情を想像する楽しみ
目も鼻も口も描かれていない ただの丸なのに、喜んでいたり、悲しんでいたり、不安そうにしている表情が見えるから不思議です。
抽象的な表現なので見る人によって別々の表情・景色が見えるのも、この本の面白さ!
キャラクターたちの心と体の動きが見えるのは、色使いも丸の配置もすごく計算されているからだと思います。
また、簡潔な文章なので赤ちゃん絵本としてもおすすめしたいです。
おすすめ度2番目ですが、私にとっては画期的な絵本No.1!
3位『フレデリック』

『フレデリック
~ちょっとかわった のねずみの はなし』
作:レオ・レオニ 訳:谷川 俊太郎
出版社:好学社(1969)
本体価格:\1,456
ページ数:32P
大きさ:タテ27.6cm×ヨコ22.6cm×0.8cm
満たすのは おなかじゃなくて、こころ
ネズミが主人公の絵本が多いレオニさん。その中の一つが、この『フレデリック』。
ネズミたちが本当に愛らしくて、思わず絵のネズミをなでたくなります。
いろんなことに感性をそばだてる詩人フレデリックもすごいのですが、冬の準備もサボり、自分の道を行くフレデリックを受け入れた仲間たちもすごいと思いました。(最初、「アリとキリギリス」のような展開を予想したので)
この表紙、ちょっと変わり者ではにかみやのフレデリックの性格がうまく表れているような気がして、とても好きです。 (『マシューのゆめ』の表紙も素敵です)
ピックアップ絵本
ピックアップ(1)『ひとあし ひとあし』

『ひとあし ひとあし
~なんでも はかれる しゃくとりむしの はなし』
作:レオ・レオニ 訳:谷川 俊太郎
出版社:好学社(1975)/本体価格:\1,456
ページ数:32P
大きさ:タテ27.6cm×ヨコ22.2cm×1cm
ビジュアルがいい!
見開きで大胆に構図がとられ、色彩がきれいな絵本です。白地に、はっきりとした色合いで描かれているので、絵の美しさが際立っているように思います。画集にしてもいいんじゃないかと思いました。
主人公は、しゃくとり虫(けっこう賢い)。この本でおもしろいのは、いろいろな動物の長さを測っていく場面です。フラミンゴの首の長さ、きじの尻尾、鳥のくちばし…。思わず絵をたどって一緒に測りたくなります。
「あ、なるほど…」と、しばらくしてから思えるラストでした。
ピックアップ(2)『アレクサンダとぜんまいねずみ』

『アレクサンダとぜんまいねずみ
~ともだちをみつけたねずみのはなし』
作:レオ・レオニ 訳:谷川 俊太郎
出版社:好学社(1975)/本体価格:\1,456
ページ数:30P
大きさ:タテ27.8cm×ヨコ22cm×1cm
ストーリーがいい!
人間に見つかるたびに追い掛け回され邪魔者扱いされているアレクサンダは、ぜんまいねずみのウィリーがうらやましくて仕方ありません。だって、いつもみんなにかわいがられているのだから!
「ぼくも ぜんまいねずみに なりたい!」
ぜんまいねずみになるために紫色の石を探して魔法使いのトカゲのところに行こうとしますが、石はなかなか見つかりません。疲れて家に帰ると、ウィリーがゴミ箱に入っていました。新しいおもちゃが やってきたのです。
ピックアップ(3)『さかなは さかな』

『さかなは さかな
~かえるの まねした さかなの はなし』
作:レオ・レオニ 訳:谷川 俊太郎
出版社:好学社(1975)/本体価格:\1,456
ページ数:32P
大きさ:タテ27.6cm×ヨコ23cm×1.2cm
こんなときに読みたい!
他人のことがうらやましいなぁと思う時ってありますよね。そんな時はこの絵本!「あぁ、あの人はあの人で、私は私なんだ」と思える作品です。
おたまじゃくしと魚は とても仲良し。やがて おたまじゃくしは成長し、蛙になります。蛙は水の中から地上へ向かい、外の世界を見てきます。魚は蛙の話す外の世界の話を聞いて想像をふくらませます。人間のこと、鳥のこと…。そして魚は決心しました。地上に出て外の世界を見てみよう、と。
レオニさんの絵本の中でも、とても色彩が豊かな絵本です。
